新型コロナ 日本政府 緊急事態宣言は判断が遅い?

新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 や 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。
こんにちは!
海外生活スタイル Tradewinds Traveler 雲風旅人です。

4月7日に安倍首相より宣言された「非常事態宣言」のタイミングについて、インターネット、ツイッターなどでは宣言について『判断が遅い』という意見が投稿されています。

「判断が遅い」という点については、色々な意見が分かれるところですが、ヨーロッパで1番最初に感染者が見つかった「イタリア」の状況を踏まえて、私なりに考察してみたいと思います。

Contents

仏独伊 感染者の推移をグラフにしてみた

ヨーロッパで感染者数の多い、イタリア、フランス、ドイツの感染者数の推移をグラフにしてみました。

1日あたりの感染者グラフ(5日平均):4月6日まで
感染者推移(4月7日)

※今回のデータでは、週末は検査が行われていないために感染者数が減るなど、日々の集計にはバラツキがあることから、点線を日々のデータとし、5日間の平均を実線でグラフにしています。

1日あたりの感染者数(5日平均):4月6日まで
Covid20200407-01

イタリアとドイツに関しては、4月に入りピークアウトしたような結果となっています。このまま減少してくれたらと思います。

なおフランスに関しては、ここ数日で感染者数が急激に増えていて不気味でしたので、考察から外しています。どうやら4月4日から誤った数値(通常よりも2万以上多い)が公開されていたようで、詳細は調べているところです。

イタリア政府の対応

在ミラノ日本国総領事館のお知らせを参考にして、イタリア政府が行ってきた措置について、簡単にまとめてみました。

1月31日:非常事態宣言(感染者数2)
2月23日:ロンバルディア州及びヴェネト州内の11の市への出入が禁止
3月05日:休校措置
3月08日:イタリア政府は新型コロナウイルス対策として新たな首相令を発出
3月10日:イタリア北部の一部地域を対象とした移動・行動の制限規定をイタリア全土に拡大
3月12日:生活必需品の販売店,薬局,スーパーマーケットを除く全ての商業及び小売り販売活動の休止
4月04日:制限措置を4月13日まで延長

イタリア国内で新型コロナウイルスの症例が初めて見つかったのは、2020年1月29日です。観光でローマを訪れた中国人夫婦から国内初となる感染が確認されました。イタリアは、欧州連合(EU)の中で最も早い非常事態宣言を行い、中国への直行便を90日間差し止めるなどの措置を実施してきました。

ところが2月後半になり、突然、中国渡航歴のない地元男性による集団感染が発覚しました。国内初の感染者が発見されたわずか20日後に、10,000人以上の感染症例を確認されました。この対応として、イタリア政府は2020年2月23日にロンバルディア州(州都ミラノ)及びヴェネト州(州都ヴェネチア)の11の自治体への出入を禁止し、公共交通機関の運休、労働活動の停止等の措置が実施しました。

それから20日後には感染者数が100,000人を超え、イタリア政府は追加措置として、イタリア北部の一部地域を対象とした移動・行動の制限規定をイタリア全土に拡大しました。この規定は2020年3月23日から有効となり、当初は2020年4月3日まで有効でしたが、2020年4月13日まで延長されています。

ドイツ政府の対応

3月14日:休校措置
3月17日:EUへの入域制限に関する欧州委員会の提案に従い、ドイツ入国の一時的制限措置
3月22日:外出制限(接触制限)

イタリアとは異なり、非常事態宣言は行っていません。
ドイツでは、憲法が定める緊急事態ではなく、感染症保護法に基づく措置により罰金が科せられます。買い物など必要な外出は認めていますが、接触制限により公共の空間で3人以上が集うことなどを禁じています。

考察

イタリアは欧州で初めて新型コロナウイルスの感染例が確認された国で、1月31日には非常事態宣言が公布しており、非常に迅速な対応でした。

非常事態宣言により、1月31日に最初の感染者が発見された直後に中国発着のフライトの乗り入れをすべて中止することができ、初動としては模範とも言える対応だったと思います。

しかしながら、この1月末の時点で既にイタリア国内にウイルスが拡散されてしまっていたと考えるのが妥当で、結果として欧州における「激震地」となってしまいましたが、感染を遅らすことができたのではないかと考えます。

イタリア政府の迅速な対応を考えると非常事態宣言の『判断が遅い』ことが、感染者拡大に至った直接的な原因ではないことがわかります。また、ドイツ政府の場合などは非常事態宣言は行わず、感染症保護法で対応しています。イタリアとは対照的で意外ですが、イタリアと同じように4月になり感染者数が減少している結果となっています。

イタリアやドイツ政府の対応からみて、重要なのは非常事態宣言を行った時期ではなく「新型コロナウイルスに対応するための法令が整備されているか」 「新たに法令を制定できるか」という点が重要であることがわかります。

日本政府の「非常事態宣言」について「判断が遅い」ということは問題ではなく、総じて『判断が遅い』ことが問題なのだと思います。世界の感染者数をみると、欧州、アメリカなどは、4月から5月にかけて減少していく可能性が高くなってきています。日本だけが感染者数が増えている状態になり、世界から孤立することもあるかもと危惧しています。

参照データ

新型コロナウイルス感染症の状況について(4月7日時点)
➡ HDX : Novel Coronavirus (COVID-19) Cases Data

記事の内容はいかがでしたか?
おすすめの記事
新型コロナ 人口が多いと感染者数が増えるのか調べてみたら意外な国がトップに
厚生労働省から3月15日12時時点での新型コロナウイルス感染症の現在の状況についてレポートが掲載されていたので、人口と65歳以上の高齢化率も併せてまとめてみました。興味のあるかたは、データをご覧ください。

いいね・フォロー お願いします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました